当院は患者様の幸せと心の回復をテーマとした歯科医院で、今年で開業10周年を迎えます。以前父の診療室で一日60〜70人の患者さんを診てまおりました。なかなか患者さんとお話しする時間がとれずに、また臨床に追われる日々でした。また、移植、矯正、インプラントを中心に様々な新しい医療技術を取り入れてまいりました。その結果必然的に時間がかかる患者様が多くなりました。一日10〜20人の患者さんをもっとゆったりと余裕をもって患者さんの希望、夢を聞きながら全人的な考えをもった臨床をしたいと思いました。その為駅前や繁華街ではなく郊外型の診療室を考え、また地元でもあるこの地に開業しました。以来10年患者様の肉体面(機能の回復と付加価値としての審美、その維持のための予防)、のみならず、精神面(食欲回復やコンプレックスからの解放による満足感、つまりQOLの向上と継続)をもフォローするトータルケアーを行ってきました。
現在一日約10〜15人の患者さんをドクター二人態勢で、患者さんの
当院の目指す医療を、後進の皆様にも是非、ご賛同いただき、ともに歩む歯科医師となっていただき、たくさんの口腔内のお悩みを持つ患者様を一人でも多く、少しでも早く、お助けすることができたらと考えております。
その第一歩として、当院では、見る、観る、看る、視る、診る、ことをまず、学んで頂きます。
私は、医師となる人には、3つのバランスが必要だと考えております。
1)深く広い知識
2)基本を押さえた上での応用力ある技術
3)医療に対する自分独自の考え方
1)知識はとにかく読みあさる事。先人の、また世界中の、決して会えないような偉大な研究者の知識を、部屋や電車で吸収できるチャンスを是非、一生手放さないでいただきたいです。本はたくさん、ご用意してあります。、
2)技術、これは、観る、視る、です。
当院での研修中、全身を集中して、視てください。教えてもらう時期から、既に、盗む時期に来ていることを自覚していただきたい。
1秒でも見逃すのが惜しい、そんな処置をみなさんに呈示できるよう、努力します、それが、技術習得の面白さであり、本当に自分のものにできる方法だと私は考えています。
観て真似る事、それが、歯科に限らずすべての技術、芸術の基本だからです。よく観ている、と合格したら、真似ていただきます。ここで初めて、一緒に患者様を診ます。そして、実際に口腔内にタッチしていただきます。
研修期間中、いつ診ることができるかは、観る、視る力によると考えて下さい。
3)きちがいに刃物、ということわざがあります。知識や技量におぼれた医師は、まさにきちがいだと私は思います。
医療、診療は、患者様のためであることを、決して忘れてはならない、そんなことあたりまえ、と思われると思いますが、技量が向上してくると、患者様が人間としてでなく、レントゲン写真の症例として、見えてきてしまいがちです。
大学の研究室に残る方も多いと思いますが、決して、看ることを、忘れないで下さい。
症例に慣れても、患者様に慣れないよう、患者様にとっては、一生に一回の初めてで最後の処置であること、を、これからの医師としての長い道のりの中で、繰り返し思い出していただきたいです。
当院での研修中に、看ていただく患者様は、すべて自分の家族、と思っていただきます。
自分の母親だったら、妹だったら、、
患者様が椅子に座る、その瞬間から、してあげたいこと、言ってはならない事、が、自然にわかるはずです。
以上、かなり抽象的なプログラム内容で、戸惑われるかと思いますが、当院のスピリッツをご理解いただき、歯科医師としてのスタートにお役立ていただけたら、嬉しいです。
湘南デンタルケアーインプラントクリニック 重原聡